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2006.04.23

「七王国の玉座」文庫化に思う

「氷と炎の歌」シリーズの第1巻「七王国の玉座」の文庫版が来月から5分冊形態で順次刊行予定。
早川書房では他にも「時の車輪」や「真実の剣」が同様の刊行形態となっていますが、あまり上手い売り方とはいえないように思います。

原著からして大著なので、よりページ数の必要となる翻訳本が分冊化されるのは仕方のないことですが、半年もかけて刊行されては面白みが失われてしまうように思うのです。
例えて言えば、2時間の映画作品を単純に30分で区切って4回の連続ドラマにするようなもの。

三部作でもシリーズ作品でも、作家は「1冊」という単位の中に起承転結を設けているわけですから(例外もありますが・・・)、分冊化するにしても同時刊行するべきではないでしょうか。
「起」の部分だけの分冊や、「引き」も何もない部分でブツ切りにされた分冊を読んだ読者が、続きの分冊を手にしてくれるとは思えません。

「氷と炎の歌」シリーズの原著は新作が発表される度に高い評価を受けていますが、今回のような刊行形態では、日本の読者にその面白みが伝わらない可能性が高そうです。

ここ10年で見ても出色と言えるファンタジー・シリーズだと思っているだけに残念でなりません。
これから読もうと思っている方には、全ての分冊が出揃ってからのまとめ読みをお薦めします。
それが作者の意図している読み方でもあるでしょうし・・・

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コメント

待ち続けてきた甲斐がありました。ようやく文庫化するんですね! でもぶつ切りなんですか…。Leonさんのおっしゃるとおり、分冊が揃ってから読むようにします。

それにしても、無意味な分冊はやめて欲しいですよね。売り上げ水増しのため?!とか思ってしまいます…。

投稿: 北沢友樹 | 2006.04.24 21:04

北沢さん、こんばんは。
原著刊行から実に10年目の邦訳文庫化です。
長生きはするもんですのぅ。
ゴホゴホッ。
しかし、分冊で半年もかけて出されてはお迎えが来てしまうかも知れんですじゃ・・・

と、世の中には余命半年の方もいるのですから、やはり間を空けた刊行形態は望ましくないものと思います。

「真実の帰還」(東京創元社)や「ダークタワー」(新潮社)も厚い原著ですが、分冊化はしてもまとめて刊行していますから、早川書房だけが作家や読者への配慮に欠けているのは残念なコトです。

投稿: Leon | 2006.04.24 22:34

こんばんは。
文庫とはいえ、一冊900円台。高いな。
5冊同時に出すと、ちょっと躊躇してしまうかも。

楽しみなのはやっぱり表紙絵でしょうか。
まさか全部同じにしたりしないと思うので。

上下巻2段組って大抵5分冊ですね。
ゆっくり刊行して、ハードカバー第3部の発売まで引っ張ろうとかそんな戦略ですかね。
あぁっ、なんか私汚れてる!

投稿: くりまろん | 2006.04.24 23:34

くりまろんさん、こんばんは。
読むペースは人それぞれなので、刊行間隔にピッタリ合うなら良いのですが、続きを切望しても「おあずけ」にされては興も醒めるというもの。
まとめ買いに躊躇される方でも、1冊読み終わったら続刊が書店に置いてあるという状態が望ましいと思います。

> 表紙絵
登場人物が多い物語ですが、ハードカバーでは表紙を飾れなかった人にも出番が回ってきそうですよね。
個人的にはアタリ/ハズレのある人物画よりも、各家の紋章などの意匠を使ったシブめのものが安心できるなぁ。

投稿: Leon | 2006.04.25 00:06

〉各家の紋章などの意匠
それなんかいいですね。
実は続き絵を期待してたんですが、同時刊行でないと分った時点で、それはない、と密かに悲しんだしりてたりして。

ハードカバーの人物画はなんとなく今一の評判な感触なんで、その路線でなくていい気もします。

それにしても本国での最新作がすでに分冊になってるとか聞いてしまいました。
途中で訳者が変わってしまったりしませんように。(大丈夫、日本は長寿世界一)

投稿: くりまろん | 2006.04.25 08:23

> 続き絵
上下巻組ではよく見かけますけれど、5巻となると圧巻でしょうね。
絵巻物や屏風絵の伝統が復活!?

> 最新作がすでに分冊
てコトは、翻訳分冊も倍増でしょうか。
たっぷり読めるのは嬉しいですね。
ん? 何か聞こえませんか?
あ、財布の悲鳴か・・・

投稿: Leon | 2006.04.25 22:16

Leonさん、こんばんは。
分冊するなら、やはり同時刊行して欲しいですよね。
それが無理としても、せめて2冊+3冊で二ヶ月連続にするとか。
あの作品はやはり一気に読みたいところです。登場人物も多いから、ブランクがあくと分からなくなりそう…

くりまりんさんの「ゆっくり刊行して、ハードカバー第3部の発売まで引っ張ろうとか」って、実はわたしも思いました。というか今でもちょっと思っています。
文庫なんていいから、早く続きを出してー!というのが正直な気持ちです(^^;

投稿: | 2006.04.27 21:42

高さん、こんばんは。
既読なればこそのコメント、ありがとうございます。

「いつになったら続刊出るんだ、コンチクショー」(そんなコト言ってない?)というのは同感なれど、シリーズの訳出が途中で止まってしまうというのはよくあるコトで、防止策としても文庫化とそれに伴うファン増加は必要なところと愚考する次第。

文庫発売時には、書店でグインの上に積むとか、グインの上に積むなどしたいものです。

投稿: Leon | 2006.04.27 22:47

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